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自筆証書遺言の方式の緩和

自筆証書遺言の方式の緩和

公開日:2020-05-11
最終更新日:2020-05-13

自筆証書遺言の方式の緩和

相続法の改正~もくじ~では、『3.遺言制度に関する見直し(1)自筆証書遺言の方式の緩和』の部分になります。

改正前は、自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付、氏名を全て手書きしなければいけませんでした。

しかし、遺言書の全文を手書きする方式は、遺言者にとって負担になり、自筆証書遺言の利用を妨げる理由の一つになっていました。

手が痛かったり、震えてしまったり。ご病気だったり、ご高齢だったり。ご自身の名前を書くだけでも大変だというケースは多々あるかと思います。

そこで、自筆証書に相続財産の目録を添付する場合には、その目録については、手書きすることを要しないとされました(968条2項前段)。

 相続財産の目録に記載する事項が緩和

相続財産の目録に記載することとなる事項とは、相続財産が不動産である場合は、その地番・面積等、相続財産が預貯金債権である場合には、金融機関名・口座番号等です。

(例)不動産の場合

1.土地

 所  在  ○〇市○町○丁目
 地  番  ○番○
 地  目  宅 地
 地  積  ○○・○○平方メートル

2.建物

 所  在   〇〇市○町○丁目 ○番地○
 家屋番号   ○番○
 種  類   居 宅
 構  造   木造スレート葺2階建
 床 面 積    1階 ○○・○○平方メートル
       2階 ○○・○○平方メートル

(例)預貯金の場合

  1.○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇

  2.○○信用金庫 ○○支店 定期預金 口座番号〇〇〇〇〇〇

  3.ゆうちょ銀行 ゼロニハチ支店 通常貯金 記号〇〇〇 番号〇〇〇

これら全てを手書きするのは、とても大変です。

しかも、これらの事項は、対象を特定するための形式的な事項であることから、必ずしも手書きしなくてもよいこととなりました。

簡単に言えば、『誰に、どの財産を残すのか?』等、大事な部分は手書きして、それ以外の部分(相続財産の目録に記載する事項)は、手書きでなくてもよいこととなりました。

緩和された方式とは?

1.目録については、手書きでなくてもよく、書式も自由。ですので、下記いづれの方法でもOKです。

 ・遺言者本人がパソコンで作成する

 ・遺言者以外の人がパソコンで作成するしたり、代筆する

 ・不動産においては登記事項証明書を添付する

 ・預貯金においては通帳のコピーを添付する

2.目録には、必ず、遺言者本人の署名・押印が必要となります。

 ・紙の両面に目録を記載した場合は、両面に署名・押印が必要

 ・紙の片面のみに目録を記載した場合、その面、又は裏面の一か所に署名・押印すればよい

 ・押印する印鑑に決まりはありません。本文に押印した印鑑と異なる印鑑を用いてもOK

3.訂正の方法

手書きの部分の訂正と同様です。

遺言者が、変更の場所を指示し、これを変更した旨を付記してこれに署名し、その変更の場所に印を押す必要があります。

いつから適用されるのか?

自筆証書遺言の方式の緩和に関する部分は、平成31年1月13日に施行されています。この日以降に自筆証書遺言を作成する場合は、新しい方式で遺言書を作成することができます。

この日以前に作成されが自筆証書遺言が、新しい方式で作成されていた場合、遺言は無効となりますのでご注意ください。

改正された条文(参考)

 

第968条  

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自し、これに印を押さなければならない。

 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。

この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

  自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

 
 

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