遺言とは何か?
「遺言」という言葉。一度は、耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
「遺言」とは、一般的に「ゆいごん」と読まれていますが、法律上は「いごん」と呼ばれます。
この「遺言」とは、亡くなった方(被相続人)が、ご自身の遺産について、「だれに、どの財産を、どれだけの割合で分けるか」についての、最終の意思表示のことをいいます。
最終の意思表示といっても、いわゆる「遺書」のように、死の間際にした意思表示という意味ではありません。
その遺言をした人(遺言者)が、最も死に近い時点でした最終の意思表示という意味ですから、間際である必要はありません。
ですから、複数の遺言書がある場合は、最新の日付のもの(死に最も近い時点のもの)だけが有効となるのです。
他の古い日付の遺言書は、取り消されたものとみなされます。
遺言を残すとは、どういうことなのか?
「ご自身が生前に築いてきた財産を、誰に、どの割合で分けるのか?」
この遺言を残すことで、
「身体が不自由な子の生活を案じて、多く財産を残したい」
「長年連れ添った妻の老後のために残したい」
「よく尽くしてくれた息子のお嫁さんに恩返しで残したい」
など、ご自身が亡くなった後の、財産の引き継ぎ方について、ご自身の意思を反映させ、残された方への願いや想いを繋げることができます。
遺言書がない場合、どうなるのか?
もし遺言書がなく、相続人が2人以上いる場合は、どうなるのか?
①民法の決まりにしたがい、原則どおり、均等割合で引き継ぐ
②相続人全員で、遺産分けの話合いをして、別の割合を決める
上記、2つの流れになります。
この遺産分けの話し合いで、相続人間でもめたり、スムーズに進まないケースが多発しています。
・「兄弟仲は良いから大丈夫。」と思っていても、いざ、話合いの場面になると、意見が対立する。
・一旦は、話合いがまとまったけど、兄弟の配偶者など相続人以外の者(例えば、妹の夫など)が口を挟み、ふりだしに戻ってしまった。
・頭では納得しているのに、もやっと感情的な部分で合意ができない。
・連絡がとれない相手がいる、または連絡をとりたくない相手がいる。
・一人だけ意見が違う相続人がいる(他の相続人は、全員合意している)。
もちろん、円満に相続人間で話合いがまとまるケースもあります。
しかし、遺言書を作成される方の中には、ご自身の配偶者の相続や、両親の相続の時に苦労され「今回こそは、しっかり遺言を残します。」と固い決意で臨まれる方が一定数いらっしゃるのは事実です。
遺言書を作成するメリット(遺言のすすめ)
遺言書を作成し、自身の最終の意思を明示し、関係者に正しく伝えることにより、上記のような相続人間での、争いを予防したり最小限化させることができます。
遺言者は、遺言を残すことにより、その奥にある、願いや想いを叶えることができるだけでなく、遺産をめぐる争いを未然に防ぐ上で、とても大切な事柄となるのです。
カテゴリー「遺言書」では、随時、お役立ち情報をアップしてゆく予定です。
お楽しみに!