人は亡くなると、肉体はなくなりますが、心や財産は、生き続けます。
心は目に見えるカタチには現れませんが、財産は、カタチあるもので、残された人に、願いや想いとともに、引き継ぐことができます。
その方法の一つが遺言です。
遺言書を作成することにより、遺言を作成した方(遺言者)の願いや、想い。
「家は、同居している長男に残したいが、その代わり現金は、すべて娘に残してやりたい」
「お世話になっている甥に、すべてを託したい」
など、亡くなった後に反映させ、叶えることができます。
では、その遺言は、単に口頭で亡くなった後の希望を述べたり、紙に書いておけば、よいのでしょうか?
答えは、NO!
遺言書は、法律で定められた作成方式に従わなければ、法律上の遺言としての効力は生じません。
遺言書は法律に定められた方式により作成する必要があります。
主な遺言書は3種類
今回は、通常利用されることの多い、3種類の遺言書について、解説します。
主な遺言書3種類とは、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言です。
実際に作成されている遺言書は、自筆証書遺言、公正証書遺言のいずれか多いです。
件数を正確には確認できませんし、やや古めの統計になりますが参考までに・・・
平成26年度に全国の公証役場で作成された公正証書遺言が104,490件に対し、秘密証書遺言は130件に過ぎません。
自筆証書遺言については正確な数を知ることは不可能でが、平成26年度に、全国の家庭裁判所で受理された遺言書の検認の新受件数は16,843件ですから、実際にはもっと多くの自筆証書遺言が作成されていることが予想されます。
※ちなみに平成30年に作成された公正証書遺言は、110,471件、遺言書の検認の新受件数は174,487件と、いづれも増加傾向にあります。
では、どの方式を選択すればよいのか?個別に方式と特徴、メリット、デメリットなど検討してみたいと思います。