土地や建物を売る側、贈与する側になったり、ローンの設定をする時の注意点です。
この場合、登記の手続きには、登記済権利証(登記識別情報)が必要になります。
ところが、いざ登記済権利証(登記識別情報)が必要となりますと、案外、見つからなかったり、引っ越しタイミングで紛失してしまったというケースがあります。
そんな場合であっても、次の3つのうち、いづれかの方法により対応が可能となります。
①司法書士による本人確認情報の提供
②法務局による事前確認制度
③公証人の認証による本人確認情報の提供
①司法書士が代わりとなる書類を提出する方法
①の方法は、登記を担当する司法書士が、本人(不動産の名義人)に間違いないことを確認した書類を作成して、登記済権利証(登記識別情報)の代わりに法務局へ提出します。
この方法は、土地や建物の売買や、住宅ローンの設定など、お金が動く場合に利用される方法です。
この場合、登記済権利証(登記識別情報)の代わりとなる、本人にとって重要な書類の作成となります。
司法書士も特別に重い責任を負いますので通常より費用が多くかかります。
本人確認情報の作成方法
登記を担当する司法書士が、下記の必要書類を確認したうえで、当事者本人と直接面接して本人確認を行い、書類を作成します。
本人確認情報作成のための必要書類
次のうちの1点。顔写真付き・有効期限内のものに限ります。
運転免許証 運転経歴証明書 パスポート 特別永住者証明書
在留カード マイナンバーカード 等
上記書類をお持ちでない場合、次のいずれか2点をご用意ください。
健康保険証 後期高齢者医療被保険者証 医療受給者証
船員保険証 健康保険日雇特例被保険者手帳 介護保険証
国家公務員共済組合員証 地方公務員共済組合員証
私立学校教職員共済制度加入者証 国民年金手帳 療育手帳
児童扶養手当証書 特別児童扶養手当証書 母子健康手帳
身体障害者手帳 精神障害者保健福祉手帳 戦傷病者手帳
※いずれも住所、氏名、生年月日の記載があるもの。
その他、固定資産税課税証明書・同領収書、所有権を取得したときの登記完了証、一緒に移転する他の物件の登記済権利証など。
②法務局による事前確認制度
この方法は、法務局が本人に対して「登記申請がなされたこと」および「自分が確かに登記を申請した旨を申し出る旨」の通知書を郵送し、一定期間内に、本人が署名・捺印して返送することによって登記の実行をする制度です。
この方法は、他の方法より登記完了までの時間がかかりますが、費用が少なくてすむので、費用が少なく出来るので、親族間での贈与の登記などには適した方法だと思います。
また、一定期間内に通知書の返送を行わない場合は、登記申請自体が却下されてしまうため、売買や担保権の設定など重要な権利変動を伴う場合にはあまり利用されません。
③公証人の認証による本人確認情報の提供
この方法は、登記申請に先立って公証人役場に出向き、公証人の面前で登記委任状に署名捺印して、認証を受けた登記委任状を使用する方法です。
具体的には、身分証明書(運転免許証など)、印鑑証明書、実印等、認証に必要なものを用意し、公証役場へ行きます。
そして、公証人の面前で、印鑑証明書の記載どおりに委任状に、住所、氏名を記載し押印すると、公証人が認証してくれます。
この公証人の認証のある委任状を使用します。この場合、公証人の手数料は3,500円です。
費用が安く済むかもしれませんが、公証役場へ出向く必要がありますので、お忙しい方には向かない方法です。
また、公証役場によって、必要書類など異なりますし、事前の打ち合わせも必要となります。